(PHP 5 >= 5.1.0, PHP 7, PHP 8, PHP 8,PECL pdo >= 0.1.0)
PDO::prepare — 文を実行する準備を行い、文オブジェクトを返す
PDOStatement::execute() メソッドによって実行される SQL ステートメントを準備します。 ステートメントのテンプレートは、文が実行されるときに実際の値に置き換えられる 0 個もしくはそれ以上の名前 (:name) もしくは疑問符 (?) パラメータマークを含むことができます。 名前と疑問符パラメータを同一の ステートメントのテンプレート中で使用することはできません。 どちらか一方か、他のパラメータ形式を使用してください。 ユーザーの入力をバインドする際にはこれらのパラメータを使います。 ユーザーの入力を直接クエリに含めてはいけません。
PDOStatement::execute() をコールする際には、 文に渡すパラメータにはそれぞれ固有のパラメータマークを設定する必要があります。 エミュレーションモードが有効になっていない限り、 ひとつのプリペアドステートメントの中で、同じ名前のパラメータマークを 複数使用することはできません。
注意:
パラメータマーカーが表せるのは、データリテラルだけです。 リテラルの一部やキーワード、識別子、その他のクエリのパーツをパラメータにバインドすることはできません。 たとえば、SQL 文の IN() 句などで、 ひとつのパラメータに複数の値を割り当てることはできません。
異なるパラメータを用いて複数回実行されるような文に対し PDO::prepare() と PDOStatement::execute() をコールすることで、 ドライバがクライアントまたはサーバー側にクエリプランやメタ情報を キャッシュさせるよう調整するため、 アプリケーションのパフォーマンスを最適化します。また、 パラメータに手動でクオートする必要がなくなるので SQL インジェクション攻撃から保護する助けになります。
PDO は元々この機能をサポートしていないドライバに対して プリペアドステートメントとバインドパラメータをエミュレートします。 このため、ある形式をサポートしているがその他の形式をサポートしていない ドライバの場合、名前もしくは疑問符形式のパラメータを他の適当な値に 書き換えることも可能です。
注意: エミュレートされたプリペアドステートメントと、 名前パラメータやクエスチョンマークを書き換えるパーサは、[シングル|ダブル]クォート に対して標準とは異なるエスケープをサポートしています。 これによって、バックスラッシュのすぐ後にクォートで終了するクエリは そのままの形では認識されず、間違ったパラメータとして認識され、 実行されたときにプリペアドステートメントが失敗してしまいます。 回避策は、プリペアドステートメントのエミュレートをこの手のSQLクエリでは使わないようにしつつ、 ドライバによってサポートされているパラメータの書き換えを避けることです。
PHP 7.4.0 以降では、クエスチョンマークを2回続けることで、 クエスチョンマークそのものをエスケープすることができます。 これは、??
という文字列が、 クエリをデータベースに送信する時に ?
に変換されるということです。
query
これは対象のデータベースサーバーに対して有効な SQL 文のテンプレートでなければなりません。
options
この配列は、このメソッドによって返される PDOStatement オブジェクトに対して 1 もしくはそれ以上の key=>value の組を含みます。 通常、スクロール可能なカーソルを要求するために PDO::ATTR_CURSOR
に PDO::CURSOR_SCROLL
を設定する場合に使用することになるでしょう。 いくつかのドライバには、準備する際に利用可能なドライバ固有の オプションがあります。
もしデータベースサーバーが正常に文を準備する場合、 PDO::prepare() は PDOStatement オブジェクトを返します。 もしデータベースサーバーが文を準備できなかった場合、 PDO::prepare() は false
を返すか PDOException を発行します (エラー処理 の方法に依存します)。
注意:
プリペアドステートメントをエミュレートする際にデータベースサーバーとの通信は行いません。 したがって PDO::prepare() はステートメントのチェックを行いません。
PDO::ATTR_ERRMODE
が PDO::ERRMODE_WARNING
に設定されていた場合、E_WARNING
レベルのエラーが発生します。
PDO::ATTR_ERRMODE
が PDO::ERRMODE_EXCEPTION
に設定されていた場合、PDOException がスローされます。
例1 名前付きパラメータを用いて SQL ステートメントのテンプレートを準備する
<?php
$sql = 'SELECT name, colour, calories
FROM fruit
WHERE calories < :calories AND colour = :colour';
$sth = $dbh->prepare($sql, [PDO::ATTR_CURSOR => PDO::CURSOR_FWDONLY]);
$sth->execute(['calories' => 150, 'colour' => 'red']);
$red = $sth->fetchAll();
$sth->execute([':calories' => 175, ':colour' => 'yellow']);
$yellow = $sth->fetchAll();
?>
例2 疑問符パラメータを用いて SQL ステートメントのテンプレートを準備する
<?php
$sth = $dbh->prepare('SELECT name, colour, calories
FROM fruit
WHERE calories < ? AND colour = ?');
$sth->execute([150, 'red']);
$red = $sth->fetchAll();
$sth->execute([175, 'yellow']);
$yellow = $sth->fetchAll();
?>
例3 クエスチョンマークをエスケープした、SQLステートメントのテンプレート
<?php
$sth = $dbh->prepare('SELECT * FROM issues WHERE tag::jsonb ?? ?');
$sth->execute(['feature']);
$featureIssues = $sth->fetchAll();
$sth->execute(['performance']);
$performanceIssues = $sth->fetchAll();
?>